住民総出で昨年秋から制作してきた「永代櫻」の山車=5日、福井県坂井市三国町北本町3丁目

住民総出で昨年秋から制作してきた「永代櫻」の山車=5日、福井県坂井市三国町北本町3丁目

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20日の三国祭中日に8年ぶり雄姿 山車「永代櫻」 福井県坂井市

福井新聞(2015年5月6日)

 北陸三大祭の一つ「三国祭」の中日の20日、しだれ桜をモチーフにした桜山車「永代櫻(えいたいざくら)」が8年ぶりに登場する。約260年の歴史がある桜山車(さくらやま)の制作作業は区民総出で昨年秋から行われ、5日には福井県坂井市三国町北本町3丁目の桜町区山車蔵前で組み立て。大火からまちを守るとされる、見事なしだれ桜を表現した高さ約6メートルの山車が姿を見せた。

 三国祭の中で、永代櫻は唯一の武者人形以外の山車。三國神社の社記によると1753年、三國神社にある桜をモチーフに木場町、今町(ともに現桜町区)が桜山車を制作し巡行したのが始まりとされる。しかし1774年、桜山車ではなく武者人形の山車を巡行したところ両町を含む一帯を全焼する大火が起こった。大火は桜山車を巡行しなかった神罰とされ、以降は「永代櫻」の名で、まちを大火から守る象徴として巡行が続けられている。

 永代櫻には、和紙製の花びら約2万5千枚、桜の枝になる竹約800本や本物の桜の古木などを使用。花びらは、型抜きした和紙の回りを赤く染め、長さ約1・5~2メートルの竹に、「こより」にした和紙で等間隔に結びつける。出来上がった桜の枝を竹の輪に一つ一つくくりつけ、三本のしだれ桜を作り上げる。昨年秋から、同区45軒の住民が手作りしてきた。

 5日は午前から作業し、竹棒などを使ってしだれ桜を持ち上げ、古木に取り付けた。桜は風が吹く度にゆらゆらと揺れ、住民は8年ぶりの巡行を心待ちにしていた。

 同区の岡島敬治区長(60)は「他の区の住民も桜山車の巡行を楽しみにしてくれている。8年ぶりの制作は忘れていることも多く難しかったが、立派な桜山車に仕上がった」と話していた。

 9日午後には住民らに山車を披露する「渡り初め」が行われる。本番の20日までに古木にこけを付けるなどして完成させる。

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