越前和紙の若手紙すき職人による「×和紙 KAKERU WASHI」展が福井県越前市の卯立の工芸館で開かれている。大紙(おおがみ)を使った、さまざまな表情の作品が並び、越前和紙の可能性を伝えている。6月8日まで。
二、三十代の紙すき職人でつくる「越前和紙青年部会」が、一昨年から開いている。3回目となる今回のテーマは「大紙×青年部」で、ふすまサイズの大紙を使い、天日干しに挑戦した。8人が15点を出品した。
会長の山下寛也さん(36)の「モザイクタイル」は、大紙とカラフルな小間紙を一体化。表面がフラットになるように作製されており、鮮やかなモザイク模様とともに印象的な作品となっている。
瀧英晃さん(36)の「luminous(ルミナス)」は、蛍光染料で色を付けた2枚の大紙を重ねた作品。両方とも穴を開けており、コウゾの繊維の長さを利用した、風合いが特徴的だ。
過去2回は各自で作った品を持ち寄る形だったが、今回は全員が1カ所に集まり、意見を交わしながら作製したという。
山下さんは「それぞれの職人に得意分野があり、自分の持っていない技術を得る貴重な機会になった。これだけさまざまな作品ができるのは、越前(和紙)の技術の高さの表れといえるのでは」と話している。
入場料は大人200円、小中学生100円。火曜は休館。