パイプの先に付いたガラスをテーブルに当てながら形を整えるチフーリ・スタジオのスタッフら=富山市古沢の富山ガラス工房第2工房

パイプの先に付いたガラスをテーブルに当てながら形を整えるチフーリ・スタジオのスタッフら=富山市古沢の富山ガラス工房第2工房

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米ガラス作家の工房が公開制作 富山市新美術館に展示

北日本新聞(2015年6月28日)

 8月22日開館の富山市ガラス美術館に作品を展示する米国のガラス作家、デイル・チフーリさんの工房「チフーリ・スタジオ」が27日、同市古沢の富山ガラス工房第2工房で公開制作した。作品は、美術館のシンボル的空間となる「グラス・アート・ガーデン」の目玉。世界トップクラスのガラス芸術の制作現場を見学した来場者からは「完成した作品を早く見たい」と開館を待ちわびる声が上がった。

 チフーリさんは、米で初の人間国宝に選ばれた現代ガラス芸術の第一人者。富山市ガラス美術館が入る西町南地区再開発ビル「TOYAMAキラリ」6階の「グラス・アート・ガーデン」に5作品を展示する。

 制作したのは、インスタレーション作品「ボート」で使うガラスの浮き球。米シアトル市から来日したチフーリ・スタジオのスタッフ7人と、富山ガラス工房のスタッフ6人で取り組み、県内外の美術ファンら70人が見守った。

 浮き球は吹きガラスの技法で形を整えた。表面に赤色や黄色のガラス片を張り付けて溶解炉に入れると、独特の模様が生まれ、直径70センチほどの大きな球体が炉から出されると、観覧席から大きな拍手が起きた。富山市長江東町の森川かおりさん(50)は「最終的にどのような作品になるのか楽しみ。美術館で直接確かめたい」と話し、何度もカメラのシャッターを切った。

 制作をサポートした富山ガラス工房スタッフの光井威善(たけよし)さん(27)は「高い技術を間近に見られて参考になった」と述べ、チフーリ・スタジオのプロジェクトマネジャー、ブリット・コーネットさんは「良い仕事ができた」と振り返った。

 作業は30日まで続き、浮き球を50~60個作る。チフーリ氏は28日に富山入りする。作品の大半は既に同美術館に搬入されており、7月1日から本格的な設置作業が始まる。

 一般公開は28日も午後1時~同4時、29日は午前11時~正午に行う。問い合わせは富山ガラス美術館、電話076(461)3100。

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