愛好家に「鉄軌道王国」と呼ばれる富山の乗り物を楽しんでもらおうと、日本旅行(東京・中央区)は1泊2日の「とやま魅力体験ツアー」を企画した。旅行客は東京から北陸新幹線で富山入りし、25、26日の2日間で鉄道や路面電車、トロッコ電車などを満喫する。県のモニターツアーとして行い、反応が良ければ今秋にも再び企画し、新幹線時代の観光資源として首都圏での発信を強化する考えだ。
県内には鉄軌道事業者が7社と全国的にも多く、低床の新型やレトロ感のある旧型、ドラえもんトラムなど、さまざまな車両が走っている。
ツアー初日は、JR東京駅午前7時20分発の「北陸新幹線」で富山駅へ(写真)。「あいの風とやま鉄道」で高岡駅へ行き、昨春新しくなった駅ビルを見学。「万葉線」に乗って、米島口電停では車庫内で運転体験し除雪車も見学する。その後はそれぞれ越ノ潟駅まで移動し、射水市コミュニティバスを経て、岩瀬浜電停で「富山ライトレール」に乗車。城川原電停でも車庫見学し、午後6時ごろ富山駅に戻る。
2日目は、午前8時ごろに富山駅をたち「富山地方鉄道」で宇奈月温泉駅に行く。機関車などを見学後、「黒部峡谷鉄道」のトロッコ電車で欅平駅へ。黒部峡谷パノラマ展望台を見学してから宇奈月駅に戻り、富山地鉄で新黒部駅へ行き、隣接するJR黒部宇奈月温泉駅で北陸新幹線に乗車。東京駅に午後9時すぎに着く。新幹線は行きは「かがやき」、帰りは「はくたか」を利用する。料金は大人1人約5万円。
県内ではJR(高山線、城端線、氷見線)と立山黒部貫光のケーブルカーを除き、主な鉄軌道を体験できることになる。ツアーを企画した日本旅行によると、6月中旬から定員20人で募集を進め、40、50代を中心に予約が入っている。松本県総合交通政策室課長(地域交通担当)は「鉄軌道は富山の貴重な財産。改善を求めたいポイントや他に体験したい点も聞き、次の企画につなげたい」と話している。