海洋深層水で浄化したカキの状態を確認する津久井社長

海洋深層水で浄化したカキの状態を確認する津久井社長

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入善を「カキの町」に 8月レストラン開店

北日本新聞(2015年7月29日)

 入善町沖の海洋深層水でカキを浄化して出荷する「日本かきセンター」(本社・同町下飯野、津久井研悟社長)が、8月2日にカキ料理のレストラン「入善 牡蠣(かき)ノ星」を同町下飯野にオープンさせる。町は同レストランを核とした食の観光振興を目指し、「カキの町」としてPRしていく考え。軌道に乗れば、地域資源と民間活力が結び付いた好事例となりそうだ。 (朝日・入善支局長 浜松聖樹)

 日本かきセンターは、首都圏など全国でオイスターバー28店舗を展開するヒューマンウェブ(東京都中央区、吉田☆則社長)の子会社。海洋深層水の清浄性や富栄養性に着目し、昨年に同町に進出した。

 町から海洋深層水水産振興施設の一部を借り、全国約50カ所の産地から集めたカキを掛け流しの海洋深層水で浄化し、ヒューマンウェブの直営店などに出荷。年間の出荷量は約400万個に上る。海洋深層水でカキを浄化・蓄養するのは世界初という。

 レストランは同施設の隣に建設し、生ガキやフライなどを通年で提供する。出店の理由について、津久井社長は「鮮度が重要視されるカキをどこよりも新鮮な状態で出せるため」と話す。「北陸では夏の岩ガキのイメージが強いかもしれないが、冬が旬の真ガキを味わってほしい」と言う。県内をはじめ、直営店の常連や北陸新幹線利用者の集客も見込む。

 町は、旅行商品などに組み込まれることで町内に観光客を呼び込みたい考え。オープンするレストランの設備投資に対して補助金を出し、町有地を敷地として貸し出した。

 現在、同社は町内の居酒屋や料亭など22店舗にカキを出荷しており、各店が鍋やてんぷらなどの料理を提供。

 町は取扱店舗を紹介する「にゅうぜん街中オイスターロード」のチラシを作成し、PRを図る。

 笹島町長は「期間限定のイベントと違い、カキは年間を通じて人を呼び込める。積極的にPRし、町全体で『カキの町』というムードをつくっていきたい」と話している。

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