作者の宮廻氏(左から4人目)ら関係者が除幕した大型壁画=JR富山駅東西自由通路

作者の宮廻氏(左から4人目)ら関係者が除幕した大型壁画=JR富山駅東西自由通路

富山県 富山・八尾 北陸新幹線

富山駅高架下に巨大な"鳥獣戯画"

北日本新聞(2015年8月12日)

 富山駅高架下の東西自由通路に大型壁画「富山市夜遊図(やゆうず)」が完成し、除幕式が11日、現地で行われた。東京芸術大大学院教授の日本画家、宮廻(みやさこ)正明氏が富山を題材に描いた「現代の鳥獣戯画」。カエルの薬売りや「おわら」を踊るウサギなど擬人化した動物たちを生き生きと描き、駅利用者らを楽しませている。

 壁画は幅7・3メートル、高さ3・5メートルで、在来線高架化工事の仕切り壁に設けた。北陸新幹線開業後も工事が続くが、その間も美しくにぎわいのある空間にするため、市が宮廻氏に依頼した。工事の進ちょくに合わせ2年程度展示する予定。事業費は約2千万円。

 作品は、鳥獣戯画を下敷きに富山の歴史や風土を踏まえて描いた。動物たちはどこかユーモラスで、大画面の右から左へ、夕方、夜、明け方と時間の流れも表現。宮廻氏が同大と共同で特許を持つ独自技術を用いて、原画を高精細でパネルにプリントし、日本画の画面の質感まで再現している。

 セレモニーでは、森市長が「文化性が高い空間になった」とあいさつし、有澤守市議会議長、壁画制作のプロデューサーを務めた伊東順二東京芸術大社会連携センター特任教授らとともに除幕した。宮廻氏は式後「富山で展示するための"オーダーメード"。富山も壁画も楽しんでほしい」と話した。

えきねっと びゅう国内ツアー

富山・八尾 ニュース