魚津水族館(魚津市三ケ)が昨年11月に発行した富山湾の魚介類図鑑「富山のさかな」が、これまでに約1400冊を売り上げ、職員の予想を上回るヒットとなっている。販売場所は同水族館などに限られているが、富山湾に重点を置いた内容が好評で、全国から注文が寄せられている。
富山のさかなは、おととし開館100周年を迎えた記念事業として作成し、2千部発行した。A4判181ページで3千円。魚類を中心に、甲殻類や両生類などを含む555種を掲載している。
特徴はタイトル通り「富山」にこだわった点で、掲載した魚は全て富山湾での生態を記したほか、ホタルイカやブリといった富山を代表する魚介を詳しく紹介している。
漁業関係者や釣り好きの大人から子どもまで幅広い層の注目を集める。魚津水族館と魚津市立図書館のみでの販売だが、新聞やラジオで取り上げられたのをきっかけに全国から注文が寄せられ、郵送で対応している。
購入者からは「面白い」「普通の図鑑とは違うところに興味を持った」などの声が聞かれるという。ブリの仲間の見分け方や、海岸での漂着物探しといったコラムが充実している点も人気の理由だ。
担当した伊串祐紀学芸員(31)は「予想以上の売れ行きに驚いている。富山の人が地元の魚に興味を持ったり、県外の人が富山に来たりするきっかけになるといい」と話している。問い合わせは同水族館、電話0765(24)4100。