訪日外国人客を糸魚川市に呼び込もうと、糸魚川青年会議所(JC)が長野県白馬村との連携を進めている。9日には同JCグローバル観光委員会が白馬村観光関係者を招いた例会を開き、外国人に人気の白馬のスキーと糸魚川の海という、お互いの強みを生かした協力について意見を交わした。来年1月にはシャトルバスを運行する計画も明らかにした。
糸魚川商工会議所会館で開かれた会合には、飲食店や行政などから約50人が参加。白馬村の観光局や飲食店経営者ら3人が講師を務めた。
白馬村はオーストラリアからのスキー客を中心に、外国人客の延べ宿泊者数が年間7万人を超える。同村観光局の吉沢紘一さんは「白馬は北アルプスの景観とスノーリゾートがあるが、日本らしさはない」と指摘。外国人客の多くは食べ物や土産に海産物を求めるといい、「糸魚川には海や魚、酒がある。連携できればスキー客に人気の北海道に対抗できる」と強調した。
昨冬、海産物を楽しむ糸魚川への日帰りツアーを主催した白馬山麓ツアーズの太田悟所長は「参加者には楽しんでもらえた。外国人客はスキー以外の観光も求めている」と今後の観光連携に期待感を示した。
グローバル観光委員会は新たな取り組みとして、糸魚川で夕食を取ってもらう「夕食シャトルバス」を運行する計画も明らかにした。白馬―糸魚川間を夕方、1往復して食事を楽しんでもらう。
外国人の旅行スタイルは1泊朝食付きで夕食は外出するため、白馬村では繁忙期に飲食店に入れず"夕食難民"も出るという。両市村は車で1時間弱。オーストラリア人にはさほど長時間だとは感じないという。
同委員会の片山良博委員長は「まずは糸魚川を知ってもらい、滞在につなげたい。白馬側も売り込んでくれているので、受け入れの機運を高めたい」と話した。