朗読劇「風の盆恋歌」が19日、県教育文化会館で上演され、俳優の奥田瑛二さんととよた真帆さんが、八尾を舞台に繰り広げられる悲恋の物語を情感豊かに読み上げた。高志(こし)の国(くに)文学館、同友の会、県文化振興財団、北日本新聞社でつくる実行委員会主催。
同文学館(富山市舟橋南町)の開館3周年を記念し開催した。原作は今年6月に亡くなった高橋治さんの小説「風の盆恋歌」。心を通い合わせながら、離れ離れに20年の歳月を生きた男女がたどる危うい旅路を描く。
物語の舞台に合わせ、和服姿で登場した奥田さんととよたさんは、時にはささやくように、時には力強い語り口で燃えあがる大人の恋を表現。装飾を省いたシンプルなステージが、2人のせりふを引き立たせた。
悲劇的な結末を迎えるクライマックスでは、情念のこもった演技を披露し、会場から大きな拍手が起こった。越中八尾おわら保存会のメンバーも出演し、哀調帯びた胡弓(こきゅう)の音を響かせた。友人と鑑賞した同保存会演技指導部相談役の成瀬高志さん(68)=富山市八尾町西新町=は「奥田さんととよたさんの演技に引き込まれ、感動した」と話していた。
公演は「北日本新聞まんまる女性倶楽部」の特別企画としても行われた。