県内の酒造メーカーで、新酒の仕込み作業が最盛期を迎えている。二十四節気の「小寒」の6日、「満寿泉」で知られる桝田酒造店(富山市東岩瀬町、桝田隆一郎社長)では、ずらりと並んだ醸造タンクからふくよかな香りが漂った。
小寒から節分までの寒中は昔から酒造りに最適とされる。この日は早朝から、蔵人(くらびと)が酒米を蒸したり、麹(こうじ)づくりなどに追われた。高級酒・大吟醸(だいぎんじょう)の醸造タンクの中では、乳白色のもろみが泡を立てながら発酵し、蔵人はかいを使いかき混ぜていた。
新酒の生酒は販売が始まっており、大吟醸酒は熟成させて夏場以降に出荷するという。杜氏の畠中喜一郎さん(65)は「暖冬で気温が高いので仕込みが難しいが、おいしい酒に仕上がっている」と話した。