「日本神話」の色紙シリーズを見詰める来場者。後方の大作が「新富座妖怪引幕」 =県水墨美術館

「日本神話」の色紙シリーズを見詰める来場者。後方の大作が「新富座妖怪引幕」 =県水墨美術館

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前期展は18日まで 河鍋暁斎(きょうさい)展

北日本新聞(2016年7月18日)

 県水墨美術館の企画展「鬼才-河鍋暁斎(きょうさい)展 幕末と明治を生きた絵師」は17日、前期展の閉幕を翌日に控え、大勢の美術ファンでにぎわった。続々と詰め掛ける来場者を前に急きょギャラリートークも開催し、担当学芸員が壁一面をほぼ埋め尽くす大作と10~20センチ台の小品の対照的な作風を紹介した。訪れた人はダイナミックな墨線と繊細な画技を見比べながら、多彩な作品を心行くまで鑑賞した。前期展は18日まで。

 企画展の呼び物は、幅17メートルの大作「新富座妖怪引幕(しんとみざようかいひきまく)」。酒をあおりながら4時間ほどで当時の人気役者たちを妖怪に見立てて描いたとされる。引幕正面にあるガラスケースには縦13センチ、横18センチの絵を集めた「惺々狂斎画帖(せいせいきょうさいがじょう)」が収められ、足を止める人が多い。

 ギャラリートークで桐井昇子主任学芸員は「惺々狂斎画帖」について、暁斎のスポンサーだった小間物問屋のために制作されたと説明。江戸の名所や庶民の遊びが極彩色で生き生きと描かれ「明治維新で後ろ盾を失った狩野派の絵師が多い中、さまざまな絵を描けた暁斎は困窮することがなかった」と話した。

 「日本神話」をテーマにした縦25センチ、横22センチの色紙のシリーズは来日中の英国人のために描かれたという。天照大神や月読尊(つくよみのみこと)の物語などが臨場感たっぷりに表現されている。桐井学芸員は「日本の古い神話を海外に紹介したかったのではないか」と指摘。錦絵についても解説し「人をあっと言わせるエッセンスを必ず潜ませている。バリエーション豊かな作風を堪能してほしい」と呼び掛けた。

 富山市下新本町の会社員、沼田典明さん(50)と妻の典子さん(51)は「大作は大胆で小さいものは緻密。多岐にわたる作品を一度に見られて幸せ」と語った。

 企画展は欧州でも人気を呼び、近年国内でも再評価の機運が高まる暁斎の作品を前後期合わせて113点展示。「新富座妖怪引幕」や工芸品など11点を除く大半が前後期で入れ替わる。

 県水墨美術館と北日本新聞社でつくる実行委員会、河鍋暁斎記念美術館主催。19日は休館で、20日から後期展が始まる。

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