JAあおば(杉林啓一組合長)は、同JA管内の富山市大沢野地域で富山湾の海洋深層水を使った特産イチジクの試験栽培を進めている。ミネラル分を加えることで甘みを増す効果が期待され、ブランド価値をさらに高めたい考えだ。 (大沢野・大山支局長 池亀慶輔)
JAあおば組合員で富山市上野の高見泰範さん(67)が、昨年から同市塩(大沢野)の約1800平方メートルで、妻の光枝さん(65)と共に主力品種、桝井ドーフィンを栽培する。高付加価値で独自性のある作物にしようと、同JAの勧めで始めた。現在、大沢野いちじく出荷組合員として唯一取り組んでいる。
高見さんは、5月から8月にかけての栽培期間中、1カ月ごとに1回、亜鉛や銅、鉄を含む液体肥料を加えた深層水を霧状にして葉にまいた。土壌を分析し、亜鉛や銅、鉄、ホウ素も追加の肥料で補った。高見さんによると、散布や追肥を行わなかった頃と比べ、生育が早く、葉の厚みや光沢が増したという。
今年は好天や高温の影響で、出荷が例年より早まる見込み。甘みが強く、大ぶりで食べ応えのある出来となっている。高見さんは「糖度は13度あり、甘みは十分。今年から海洋深層水を使って育てたことを積極的にPRしたい」と話した。
今月10日ごろから同JA直売所のみのり館(同市上大久保・大沢野)と、ほほえみ館(同市婦中町羽根)で販売する予定。