糸魚川市を代表する冬のイベント「糸魚川荒波あんこう祭り」がことしも1月下旬から市内3会場で開かれる。同祭りの実行委員会(龍見和弦委員長)が決めた。昨年末の大火でイベントの自粛や延期を心配する声が出ていたが、例年と内容も変更せず、「復興に向けて頑張ろう」との思いを込める。
祭りは例年、糸魚川、能生、青海の3地区で開かれ、大火の現場となった本町通りは昨年まで糸魚川地区の会場だった。ことしは大火発生前からヒスイ王国館と糸魚川駅前を会場に予定していたが、両方とも被災地に近い。米田徹市長は昨年末の会見で「自粛する部分が出るかもしれないが、やめることはしたくない」と話していた。市によると、糸魚川会場は多い年で6千人の人出があり、地域経済への影響も大きいという。織田義夫副市長は5日、「せっかくなので元気を出したい。例年より盛大にやりたい」と語った。
あんこう祭りの開催決定を受け、関係者が5日、ヒスイ王国館前に看板を設置した。自身も自宅が全焼した市観光協会の大久保峰生事務局次長(59)は「糸魚川の復興のため力を尽くしたい。名称も『がんばろう糸魚川荒波あんこう祭り』にしたので、多くの人に来ていただきたい」と呼び掛けた。市交流観光課は「大火後最初のイベント。成功させて復興に弾みをつけたい」とした。
あんこう祭りの開催日や会場、問い合わせ先などは次の通り。時間はいずれも午前10時~午後2時。
▽糸魚川会場 22日、ヒスイ王国館・糸魚川駅前ロータリー。つるし切り実演は午前10時半と同11時半。市観光案内所、025(553)1785
▽能生会場 29日、マリンドリーム能生。つるし切り実演は午後0時半、マリンドリーム能生、025(566)3456
▽青海会場 2月5日、親不知ピアパーク。つるし切り実演は午前11時と午後0時半。市観光協会青海支部、025(562)2352。