越後上布のひな人形について説明する南雲正則館長=南魚沼市の塩沢つむぎ記念館

越後上布のひな人形について説明する南雲正則館長=南魚沼市の塩沢つむぎ記念館

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ひな人形塩沢織物装い 越後上布など 南魚沼つむぎ記念館

新潟日報(2017年2月9日)

 国連教育科学文化機関(ユネスコ)無形文化遺産の「越後上布」など塩沢の織物を使ったひな人形が、南魚沼市の「塩沢つむぎ記念館」に飾られている。素朴ながら伝統を感じさせる上品なたたずまいが、来場者の目を楽しませている。

 ひな人形は7段15人飾りで総制作費は約500万円。同館の南雲正則館長(64)と、人形メーカー「久月」(東京)の人形教室「久月人形学院」の3教授が、約1年がかりで作った。南雲館長は「雪で観光客が減る冬季の塩沢の集客につながれば」と期待している。

 同館近くにある、三国街道の宿場町を再現し整備された牧之通りでは毎冬、代々伝えられてきたひな人形を店先などに展示する「ひな雪見かざり」を行っている。同館でも既製品を飾っていたが、機織り体験や塩沢織物を展示していることもあり、職員から「地元の織物を使ったひな人形で魅力を発信できないか」と提案があった。

 南雲館長は8年ほど前から木目込人形作りの講座に通っており、講師の久月人形学院教授に相談したところ協力を得られた。

 人形の着物には計4種類の塩沢織物を使用した。約1200年前から伝わるとされる越後上布は女びなと男びなに。三人官女や五人ばやしなどには本塩沢、塩沢紬(つむぎ)、夏塩沢。約35センチ四方で5万円前後する布が1体につき4、5枚使われているという。

 男びなを作った南雲館長は「幾重にもぜいたくに布を重ねた襟元と袖口を見てほしい。伝統織物のぬくもりや優しさが人形を通して伝われば」と話していた。

 今年の牧之通りのひな雪見かざりは18日から。同館では4月3日まで展示する。問い合わせは同館、025(782)4888。

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