伝統建築の良さが味わえる広間「オマエ」=佐渡市松ケ崎

伝統建築の良さが味わえる広間「オマエ」=佐渡市松ケ崎

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「梅の木のある小さな宿市十郎」 改修で宿泊施設に 佐渡

新潟日報(2018年5月25日)

 築70年以上の古民家を改修した宿泊施設「梅の木のある小さな宿市十郎(いちじろう)」が、佐渡市松ケ崎にオープンした。佐渡の伝統建築の良さを生かしつつ、風呂やトイレなど水回りは最新の設備を整え、快適性も兼ね備えている。運営会社の「奄美イノベーション」(鹿児島県)は「昔の暮らしを体験してほしい」とPRしている。

 奄美イノベーションは2年前から、国内各地で伝統建築を生かした宿泊施設を運営する取り組み「伝泊」を進めている。同社の山下保博社長が主宰する建築設計事務所「アトリエ・天工人(テクト)」(東京)が改修を手掛け、4月下旬にオープンした。

 佐渡島での伝泊の取り組みは、1年前に松ケ崎でオープンした「ぐるり竹とたらい湯の宿カネモ」に続き、2軒目。松ケ崎の住民が古い町並みを大事に保存し、伝泊の取り組みにも理解があることから、同じ地区内での開設を決めた。

 施設名は、古民家の屋号が「市十郎」で、近くに梅の木があることに由来する。木造2階建てで、「オマエ」と呼ばれる天井の高い広間がある。天井や壁は黒いすすで色付き、住民が長年いろり端で過ごしたことがうかがわれる。台所にはIHクッキングヒーターが置かれ、インターネットの無線LANが使えるなど、最新の設備もある。

 周辺で農業、漁業体験ができるほか、郷土料理作りも楽しめる。松ケ崎の本行寺住職、武藤孝臣さん(43)は「伝泊によって交流人口が増え、集落が生き生きとするきっかけになってほしい」と期待している。

 1棟貸しで4人まで泊まれる。宿泊料は食事なしで1人1泊1万2550円から。問い合わせはアトリエ・天工人、03(6439)5540。

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