新潟県三条市の菓子店「菓子工房クリュ」が佐渡市の佐渡高の生徒2人が発案した金山にちなんだ商品の販売を7月1日から始めた。「のべぼうフィナンシェ」「百萬両チーズ」「割戸シュー」の3種。アイデアが採用された生徒は「お菓子が島外の人に佐渡を知ってもらうきっかけになれば」と喜んでいる。
クリュの取締役栗林茜さん(45)は佐渡市の河崎地区出身。「佐渡島(さど)の金山」の世界遺産登録が見込まれる故郷を盛り上げ、佐渡をPRできる商品を販売できないかと昨秋、河崎小時代の恩師、庄山忠彦さん(66)に相談した。現在佐渡高に勤務する庄山さんは任意で生徒にアイデアを募った。
呼びかけに応じた生徒のアイデアの中から、クリュが佐渡らしさなどの点から3種の商品化を決めた。「のべぼうフィナンシェ」(220円)は金塊の形をした焼き菓子フィナンシェに金箔(きんぱく)をちりばめた。「百萬両チーズ」(240円)は小判をイメージした形のスフレチーズケーキに「百萬両」の文字が入る。「割戸シュー」(400円)はシューアイス。シュー生地はクッキーで、中のアイスにも、佐渡金山のシンボル「道遊の割戸」をモチーフにしたクッキーを載せている。アイスは抹茶とミルクの2種類。
割戸シューを考案した3年の生徒(17)は、「まさか採用してもらえると思わなかった。地元が相川なので、小さい頃から金山は身近。島外の人が佐渡を知るきっかけになればうれしい」と話す。フィナンシェとチーズケーキのアイデアを出した3年の生徒(17)は「元々フランスのお菓子が好きで、金の延べ棒の形のフィナンシェは佐渡のお土産にぴったりだと思っていた。地域貢献ができれば誇りに思う」と喜ぶ。
栗林さんは「観光などで訪れる県外の人たちに、お菓子を通して佐渡の良さを伝えたい」としている。
佐渡汽船新潟港の売店と、両津港の売店2店で販売。フィナンシェは三条市のクリュの店舗と、9月7日の佐渡高の文化祭「蒼穹祭」でも販売する予定。問い合わせはクリュ、0256(32)1744。