コスプレを通じて佐渡の魅力を発信するイベント「SADOCOS(サドコス)」が、9月下旬に島内で初めて開かれる。島への観光客が減少傾向にある中で、若い世代を中心に来島者を呼び込むのが目的。「佐渡に興味を持っていなかった人が足を運ぶきっかけになれば」と関係者は期待を込めている。
催しは、赤泊地区の若者を中心とする「赤泊にぎわい実行委員会」が主催する。イベント名にはコスプレと「佐渡を掘り起こす」との意味をかけた。企画者の一人で長岡造形大大学院生の吉田勝幸さん(35)は「佐渡に来なさそうな若年層に焦点を絞った。全国的に風景を生かしたコスプレイベントがある中で、豊かな自然や古いまちなみが残る佐渡はイベントに向いていると感じた」と狙いを語る。
開催日は9月29、30の両日を予定する。初日は、古くからの町家が残る赤泊地区のまちなみと、徳和の東光寺の2会場をシャトルバスで結び、参加者がアニメやゲームの登場人物になりきって自由に撮影を楽しむ。2日目は希望制で、赤泊地区の海岸沿いに場所を移して撮影する。
6月16、17日には、赤泊、小木、相川地区でイベントの宣伝用の撮影会が行われた。東京で活動するコスプレイヤーら3人が、歴史あるまちなみや寺院の境内で思い思いにポーズを決め、カメラのフラッシュを浴びていた。
参加したコスプレイヤーの菊壱(きくいち)モンジさん=東京都北区=は「佐渡はロケーションが良く、撮影したいと思う場所も多い。このようなイベントがあると、佐渡に来ようという人が増えるはず」と話した。
イベント事務局を務める市地域おこし協力隊の渋谷春菜さん(23)は「知られていなかった美しい景色や古い建物などの場所に焦点を当てたい。イベントをきっかけに、佐渡のリピーターになる人を増やしたい」と力を込めた。
イベントの詳細はホームページで確認できる。