うみがたりのオープン初日でにぎわう直江津地区。書き入れ時の夏が終わり、今後の誘客が課題だ=6月26日、上越市

うみがたりのオープン初日でにぎわう直江津地区。書き入れ時の夏が終わり、今後の誘客が課題だ=6月26日、上越市

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うみがたり開業2カ月余 直江津のランチ客増加

新潟日報(2018年9月20日)

 上越市立水族博物館「うみがたり」の開業から2カ月余。直江津地区ではランチの時間帯を中心に飲食店の入り込みが増え、「開業効果は期待以上」など喜びの声が聞こえる。ただ、書き入れ時の夏が終わったことで、今後、この勢いをどう維持していくかが焦点となっている。関係者は「街の魅力をもっと発信しなくてはいけない」と"次の一手"に頭を悩ませている。

 「期待していなかったけれど、まさかこんなに街に来るとは思わなかった。8月は例年の2倍以上の来店があった」。直江津駅からほど近い飲食店店主井上主税さん(70)は、うみがたりの開業効果に驚く。同店は海鮮丼や刺し身定食が売りで、長野県など県外からの客が増えたという。

 6月26日に開業したうみがたりの9月17日現在の入場者数は約42万人。当初の予想を上回る盛況ぶりで、直江津地区の飲食店にも開業効果が及んでいる。

 上越商工会議所中小企業相談所の岡田政彦所長は、直江津地区では7、8月、ランチの営業をしている飲食店の来店客数、売り上げとも前年同期比で約5%増になったと指摘。「地元商店街関係者らが発行したクーポン付きパンフレットなどの効果が表われている」と分析している。

 直江津地区以外でも効果が表れている。上越市大場の国道8号沿いの飲食店では、夏場は例年より家族連れらが増えて好調だった。秋以降も、うみがたりツアーの団体予約が既に入っているという。

 うみがたりでは8月最終週から、開業当初の混雑は見られなくなった。それに伴い、直江津の飲食店を訪れる観光客も減っている。

 こうした現状に、直江津を盛り上げる市民団体代表の坂詰つぐみさん(55)は「9月に入って街は静かになった。直江津の魅力をもっと伝えていかなければ」と危機感を口にする。「『直江津の街』を目的に来てもらえるようにしなければ」と話し、新たなフリーペーパー発行やイベントを開く予定だ。

 直江津地区のカニ料理店代表の藤田邦夫さん(68)も「夏場は若い客層が多く、平日の客足が増えた」としながらも、「うみがたりにおんぶにだっこではだめだ。開業後に開いた記念イベントのような、街全体で県外客を呼び込めるイベントに取り組まないといけない」と強調した。

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