越前水仙と越前焼が共演する「水仙と越前花器の甘いささやき展」が、福井県越前町小曽原の越前陶芸村文化交流会館で開かれている。越前焼作家21人による多彩な花器約110点が並び、華道家の生けた独創的な花と合わせて訪れた人の目を楽しませている。12月27日まで。
同町と福井市、南越前町で15日開幕した「第44回水仙まつり」(越前海岸観光協会連合会、福井新聞社主催)の一環。素朴なイメージの越前焼は白くかれんな水仙の花を引き立たせることから、作品展で合わせて満喫してもらおうと同館が毎年企画している。各作家が出展した花器のうち21点に、華道の草月流師範井上和萠(わほう)さん(76)=越前市=が生け花を手掛けた。
「いろんな作家の花器が語りかけてくるイメージを生け花で表現した」と井上さん。干支(えと)にちなんだイノシシの形の花器を複数使った作品には、疾走感を表すような細長い枝とかれんな水仙の花を生けた。ジグザクに折った水仙の葉でリズム感を表現しており、群れが水仙畑を走り去っていくような印象を与える。
その他会場には草花と一緒に花器を華やかに彩る多彩な作品が並ぶ。同館の担当者は「目で見るのと合わせ、甘くさわやかな香りが広がる空間を楽しんでほしい」と話している。