新潟県上越市立水族博物館「うみがたり」で実施されている「バックヤード(裏側)ツアー」が人気だ。開始1カ月で延べ400人以上の参加者が水槽のろ過機の見学や、展示前の生き物への餌やりなどを体験した。うみがたりは「普段は見ることができない裏側でワクワクを味わってほしい」としている。
ツアーはうみがたりの教育活動の一環。昨年6月のグランドオープン以降、スタッフの態勢を整え、今年の元日に通年企画として始めた。
4日正午から行われたツアーには、平日にも関わらず定員を超える11人が参加した。
参加者は案内係を務める飼育スタッフの「バックヤードツアー、レッツゴー」の声に合わせて右手を突き上げた後、餌が保管されている氷点下25度の巨大な冷凍庫や、生き物が暮らす水槽の水をきれいにするろ過機などの説明を受けながら見学。「(冷凍庫が)すごく寒いね」「こんな大きなろ過機を使ってるんだ」と話し合っていた。
バックヤードにあるプールでは、うみがたりで卵からかえったという展示前のサケへの餌やりを体験。参加者はスプーンで餌をまくと、勢いよく寄ってくる15センチほどのサケの様子を興味深そうに眺めていた。
ツアーに参加した長野県上田市の会社員の男性(26)は「なかなか見ることのできないものばかりで面白かった。餌やりもいい経験になった」と笑顔で話した。
バックヤードツアーは小学3年生以上が参加できる。毎日正午からと午後3時からの2回。所要時間は1回約30分。参加料は1人500円で、入館料が別に必要。電話などによる事前予約はできず、受付で直接申し込む。定員は各回10人(先着順)。問い合わせはうみがたり、025(543)2449。
◎16日から 求愛など音の特別展
うみがたりは16日から、グランドオープン後、初の特別展「おとがたり~生きものたちが紡ぐ音~」を開く。魚などの生き物が水中で求愛や威嚇などの際に発する音を楽しむことができる。
生き物の音声は、国立研究開発法人「水産研究・教育機構」中央水産研究所の赤松友成主任研究員の協力の下、特殊な水中マイクを使用して水中の音を鮮明に録音。時期によって異なるが、会場ではカクレクマノミやアカマツカサなど約10種類の生き物を展示し、録音された音をスピーカーから聞くことができる。うみがたりで暮らすバンドウイルカやシロイルカなどの鳴き声も紹介する。
4月7日まで。