伊藤善行さんと、伊藤さんの発案で製作されたウサギ観音Tシャツ=佐渡市真野新町

伊藤善行さんと、伊藤さんの発案で製作されたウサギ観音Tシャツ=佐渡市真野新町

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佐渡・長谷寺 ウサギ観音Tシャツに 収益で庫裏修繕へ

新潟日報(2019年4月11日)

 災難に苦しむ寺を「ラスボス(ゲームの最後の敵)」が救う?-。新潟県佐渡市長谷の長谷寺に昨年建立されたウサギ観音をあしらったTシャツを市民有志が製作し、販売を始めた。夜に目が赤く光る「不気味だけどかっこいい」雰囲気を、黒を基調に再現した。収益は、台風で屋根が吹き飛ぶ被害を受けた国登録有形文化財の庫裏の修繕に充てる。

 観音は、薬剤を使わず除草するため境内で飼っている「草取りウサギ」にちなみ、富田宝元住職(78)が制作費800万円の寄付を募り建立した。

 高さ約6メートル。胴の中からは本尊の十一面観音がのぞき、闇夜に発光ダイオード(LED)で目が光る様子が「ラスボスっぽい」などとテレビ番組やインターネットで話題になった。

 昨年11月に完成してから3月までに訪れた人は前年の10倍超の5千人以上となり、県外客も増加。反響を受け、新たに休憩所や子どもがウサギと触れ合える広場を設置した。

 一方、悩みの種が、昨年9月の台風21号接近で屋根の半分が吹き飛んだ庫裏の被害。檀家(だんか)が減る中、約3千万円と見込まれる費用がネックとなり、今もブルーシートで覆われたままだ。

 そこで、観光客の案内などで交流があった旅館業、伊藤善行さん(43)=真野新町=がTシャツ製作を提案。島内の会社がデザインや製作に協力し、3月下旬に寺や佐渡汽船両津港ターミナルで発売した。

 フォトグラファーとしても活動し、当初からツイッターなどでウサギ観音をPRしてきた伊藤さん。「せっかくおもしろおかしく取り上げられているので、なんとか修繕に協力できないかと考えた」と振り返る。

 「維持に苦しむお寺は全国的に多い。成功例になってほしい」と思いを語り、今後もイベント企画などでの支援を検討している。

 Tシャツは3千円程度。問い合わせは「ご縁の宿伊藤屋」、0259(55)2019。

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