一般の観光客に交じり、ももクロファンらが行き交う宇奈月温泉駅前=4月21日

一般の観光客に交じり、ももクロファンらが行き交う宇奈月温泉駅前=4月21日

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ももクロライブの経済効果6億円超 黒部市が試算公表

北日本新聞(2019年5月22日)

 黒部市は、4月に市宮野運動公園で開かれたアイドルグループ「ももいろクローバーZ」のライブによって、6億500万円以上の経済効果があったとの試算をまとめた。事前にメンバーが何度も黒部を訪れてPRしたことなどから、想定していた「3億円以上」を大幅に上回った。大野久芳市長は「期待以上の効果。黒部市のみならず、県全体に波及したのではないか」と述べた。21日の市議会全員協議会で報告した。

 ライブは4月20、21の両日、地方の活性化を応援するために開かれ、2日間で延べ3万982人が来場した。

 経済効果の主な内訳は、公共交通利用などが1億3950万円、市内での宿泊や会場などでの飲食・物販が5500万円、工事関係など市内業者の受注が3500万円。新聞やテレビなどでのPR効果は、昨年のライブ開催地の実績を基に3億円と算出した。

 公共交通機関や宿泊施設などの利用状況もまとめた。JR黒部宇奈月温泉駅は、午後3時の開演前に降車した人と、開演後に乗車した人の合計が2日間で約1万6千人となった。小川外治駅長は「限られた時間帯だが、繁忙期よりも多い利用があった」とした。富山地方鉄道新黒部駅では2日間で計4235人が乗降し、約2千人が乗降した北陸新幹線開業日以来の多さだった。

 黒部峡谷鉄道は営業運転開始がライブ初日と重なったこともあり、20~22日の乗降客数が前年同期比33%増の計9926人となった。

 ライブを目的に、19~21日に黒部市内のホテルや旅館などに泊まった人は計1617人。このうち1096人は宇奈月温泉街に宿泊した。魚津市の主要8宿泊施設には1569人が泊まった。

■聖地化への仕掛けが鍵に
 アイドルグループ「ももいろクローバーZ」のライブが黒部市で開かれた4月20、21の両日は、宇奈月温泉街など市内の観光拠点もにぎわった。1カ月たち、ファンがももクロゆかりの地を訪れる「聖地巡礼」の動きはあるものの、今後「ももクロ効果」をどう持続させるかが課題だ。ファンがまた来たくなる仕掛けを続けていくことが鍵になるとして、市や土産店などは新たなイベントの計画を練る。

 宇奈月温泉街はライブ当日、カラフルな服装のモノノフ(ファンの愛称)の姿が目立った。旅館やホテルは、20日を中心にほぼ満室に。宇奈月温泉旅館協同組合の濱田政利理事長(68)は「10連休を控えた週末だったので、ライブがなければ空きがあったのではないか」と話す。

 土産品も売れた。宇奈月温泉の中島観光百貨店では、ももクロとのコラボ商品などを販売し、2日間の全体の売り上げは通常の週末の約5倍に上った。ファンに喜んでもらおうと、商品を入れる袋を「ももクロ仕様」にするなど工夫を重ねてきたことが奏功し、今も毎日1人はファンが訪れる。中島昭彦社長(51)は「夏や秋に向け、もっと来てもらえるような仕掛けを考えたい」と話す。

 黒部漁港近くの魚の駅「生地」も、ライブがあった2日間は通常の週末の約1・5倍の人が訪れた。名物の水だんごなどが売れ、レストランではももクロメンバーが食べた海鮮丼セットが人気を集めた。「新しい客層の掘り起こしにつながった」と川辺二朗支配人(57)。今も来店するファンがいるという。

 こうした「ももクロ効果」は、黒部峡谷鉄道が7月末までももクロ特製ヘッドマークを冠したトロッコ電車を運行するなどの取り組みもあり、しばらくは続くとみられる。ただ、大野久芳市長は「放っておくと右肩下がりになる」と語る。

 市は、再び足を運んでもらうきっかけをつくろうと、夏休みに宇奈月国際会館セレネでライブ関連の写真やグッズを展示する企画展を計画しているほか、「聖地巡礼観光マップ」の作成を進めている。

 独自にファンを呼び込む企画を打ち出すホテルもある。宇奈月温泉のホテル黒部は、ファン向けの宿泊プランを新たに用意した。ツイッターでの情報発信にも力を入れる。中島勝喜代表取締役(48)は「ツイッターだとファンにピンポイントで情報を伝えられる。黒部の良い所の発信に努めていきたい」と話す。

 北陸経済研究所の倉嶋英二総括研究員(54)は「地域で取り組みを継続していくことで、ももクロと黒部が結び付くイメージが形成されれば、地域活性化効果が出てくるのではないか」と指摘した。

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