ブラジルなど外国の子どもが多い福井県越前市深草1丁目子ども会の子どもたちが、大好きな食で交流と理解を深めたいと、同市名物のボルガライスとブラジルの庶民的な揚げ物「パステル」を組み合わせた新メニューを考案。「パステルガライス」と命名し、5月26日に越前市高瀬のそば店江戸屋で最終試食会を開いた。「おいしい」と評判は上々で、6月1日に開かれる地区のまつりでお披露目する。
試食会に参加した同市ボルガラー協会の波多野翼会長(34)は「ボルガライスが国際親善に役立つなんて願ってもないこと」と子どもたちの発案に敬意を表し、「味もいい」とメニューを「深草1丁目子ども会のオリジナル丼」として"認定"した。レシピ作りに協力した江戸屋の栗塚明さん(49)はパステルガライスを、丼で福井を盛り上げようとする「福丼県」プロジェクトのメニューに登録申請して内諾を得た。
発案した同子ども会は、会員17人のうち約半数がブラジルやフィリピンなど外国籍の子どもたち。お互いの国をよく知ろうと、今年3月に開いた自国の料理を持ち寄る会が好評で、オリジナルメニュー作りへ話が盛り上がった。
誰でも食べられ、越前市らしい料理をとアイデアを出し合ったところ、ブラジルでよく食べられ、小麦粉でつくった皮で肉などの具を包んで揚げたパステルを、ボルガライスのカツの代わりに使うメニューでまとまった。具をチーズやハムなどにして試作を重ね、名前は子どもたちが発案したパステルガライスに決まった。
最終試食会には、子ども会会員や保護者ら15人が参加。味を確認したほか、盛り付けのアイデアなどを話し合った。杉崎ダニエル君(10)は「パステル単独で食べるより、おいしい」と太鼓判を押していた。
同子ども会の田中宏美会長(42)は「楽しみながらメニューができた。食を通したつながりを、もっと広げたい」と話す。今のレシピではデミグラスソースで味付けするライスを、試作段階で評判の良かったチャーハンとするバリエーションも考えたいとしている。
パステルガライスは1日に開かれる地元の祭り「山王宮の祭礼」で、1杯400円で販売する。