新元号「令和」の書と記念撮影する関西からのツアー客=福井県越前市余川町の「万葉館」

新元号「令和」の書と記念撮影する関西からのツアー客=福井県越前市余川町の「万葉館」

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令和ブームで観光客殺到 福井県越前市の「万葉館」、昨年の4倍

福井新聞(2019年6月29日)

 新元号の「令和」が万葉集から引用され、万葉集の歌の舞台となった万葉の里、越前市味真野地区への観光客が急増している。「万葉の里味真野苑」と同苑内の資料館「万葉館」には、6、7月に関西圏などからバスツアーが毎日訪れる盛況ぶり。6月の来館者数は昨年比の4倍となる見込みだ。

 新元号が発表された4月以降、5月末までの2カ月間の来館者は6千人と、昨年同期の2倍に。6月はさらに増え、ツアーバスは約100台、約5千人の来館となり昨年6月の1200人の4倍以上になる見込み。7月も毎日バスツアーの予約がある。多くが関西、東海など都市圏からのバスツアーで、行き先を伏せたミステリーツアーなどで訪れるバスも多いという。

 味真野地区は、流罪となった中臣宅守(なかとみのやかもり)と狭野弟上娘子(さののおとがみのおとめ)が交わした悲恋の歌の舞台。万葉集には2人の歌が63首収められている。味真野苑には2人の相聞歌碑や万葉ゆかりの植物があり、万葉館には資料などが展示されている。

 7月に「新元号にちなんだミステリーツアー」を企画した愛知県の旅行代理店「クラブツーリズム名古屋」によると、万葉集ゆかりの地は全国的に「令和」で注目が高まっており、同社は60代以上をターゲットにしたツアーに味真野地区を組み込んだ。10月には天皇即位パレードもあり、しばらく万葉集関連のツアー人気は続きそうだという。

 観光客急増を受け、市観光協会は、万葉集や味真野地区の説明ができるボランティアガイドを4人から12人に増員し、ガイドを希望するツアーに応対。味真野地区にゆかりのある万葉集の和歌などを引用したしおりを越前和紙で製作、ツアー客に配布している。

 19日は関西圏からのツアーバス7台、約280人が訪れ、万葉集の2人の歌碑が建つ「比翼の丘」などを散策。万葉館では新元号「令和」の書を持って記念撮影などを楽しんだ。兵庫県から訪れた78歳男性は「福井県に万葉集にちなんだ場所があるとは知らなかった。令和になってすぐに、万葉集について学べて良かった」と話していた。

 ボランティアガイドの72歳男性=同市=は「今年の人気は異常なぐらい。新元号のおかげです」と汗をぬぐった。両施設を管理する市万葉菊花園の笠原淳治園長は「来館が万葉集だけでなく味真野地区、越前市、さらには福井県に興味を持つ入り口になったら」と期待を込めていた。

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