田んぼアート、"亥(い)"い感じ―。今年のえとのイノシシを描いた福井県越前町樫津の田んぼアートが見頃となった。すぐ隣の高台にある同町宮崎中で7月2日、生徒たちがグラウンド脇から全容を見渡した。
町おこしの一環として、地元住民が2008年から取り組んでいる。基になる絵柄や文字に合わせて葉や穂が黒、紫、黄色などに育つ苗を植え、成長したときに巨大アートを浮き出させる。
今年は、イノシシの親子が同町特産のタケノコを狙う姿を約6千平方メートルの水田に描いた。6色のイネで表現した絵柄と「猪突(ちょとつ)猛進」「令和元年」の言葉がくっきりと浮かび上がってくる。
同校1年生は、毎週写真を撮影して観察記録をつけている。小学校入学前から田んぼアートに関わり、今年5月の田植えにも参加した木下昴君は「沖縄からも、この田んぼを見に来た人がいるほど。僕たちの自慢できる風景」と胸を張った。