無頼派を代表する作家の坂口安吾=新潟市出身=が敗戦直後、地方の文化振興に新聞が果たすべき役割などを記した手紙の展示が11月1日、新潟市中央区の新潟日報メディアシップ5階「にいがた文化の記憶館」で始まった。代表作「堕落論」の原型とも読める文面で、安吾の戦争や新聞に対する考えを伝えている。
当時の新潟日報社長で安吾長兄の坂口献吉に宛てた「3通の手紙」で、1945年9月に書かれた。半世紀ほど所在不明だったが、新潟日報社が今春入手した。
会場では、原稿用紙にマス目を無視してびっしりと書かれた小さな文字を間近で読み取ることができる。
学芸員の石垣雅美さんは「めったに見ることができない貴重な資料を見に来てほしい」と話した。
12月1日まで。月曜休館(祝日の場合は翌日)。入館料が必要(一般500円、学生300円、中学生以下無料)。