修復された林富永邸所蔵の狂歌の短冊が貼られた屏風=上越市三和区

修復された林富永邸所蔵の狂歌の短冊が貼られた屏風=上越市三和区

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屏風に薫る狂歌文化 林富永邸が修復、公開へ 上越三和

新潟日報(2019年11月6日)

 新潟県上越市三和区神田の市指定文化財「林富永邸」が所蔵している江戸時代の狂歌の短冊を貼った屏風(びょうぶ)2枚が修復され、11月9、16、17の3日間、公開される。9日には、江戸時代の文化史を研究する東北大学大学院の高橋章則教授が、屏風に貼られた狂歌からみる上越の文化について講演する。

 林富永邸は、幕末まで庄屋役を務めた富永家一族の邸宅で、1883(明治16)年に4代目の富永護右衛門(もりえもん)が建てた。

 屏風の発見は、江戸時代に活躍した直江津出身の狂歌師、千代垣(ちよがき)素直の碑が、2011年に直江津の五智国分寺で見つかったことがきっかけ。碑の発見後、高橋教授が三和村史などに狂歌の文化が記されているとして三和区内に史料が残されている可能性を指摘。8年ほど前、林富永邸の蔵で所蔵されていた屏風が見つかった。

 屏風は縦127センチ、横320センチ。屏風1枚に、三和の庶民らが書いたと見られる短冊が約150枚貼られている。発見当時、虫食いの箇所があったり、短冊が破れていたりしたが、市内の表具屋に依頼し、18年初めから1年半かけて修理した。

 7代目の富永正雄さん(91)は「護右衛門や同時代の一族で眼科医の富永仙八が狂歌に関心があったことが記録に残っている。その関係で狂歌を集めた屏風がつくられたのではないか」と推測。「埋もれていた文化が日の目を見て、後世につないでいくことができた」と語った。

 9日の講演会は林富永邸保存会が主催し、邸内で午後3時半から。無料。問い合わせはNPO法人三和区振興会、025(529)2345。

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