福井県越前市白山地区にあるしらやまいこい館内のコウノトリPRコーナーの目玉になっているコウノトリのはく製が4月下旬まで、同市の市民プラザたけふで特別展示されている。展示場所は屋内子ども広場「てんぐちゃん広場」に近く、まちなかに登場したコウノトリの"勇姿"が親子連れの関心を集めている。
はく製は、1970年に白山・坂口地区に飛来したくちばしの折れた「コウちゃん」の孫「唐子」。2009年に死んだ唐子の個体を越前市が兵庫県から譲り受け、はく製と骨格標本を作製し展示してきた。
PRコーナーを4月下旬にかけて改修するのに合わせ、市がはく製と骨格標本を市民プラザたけふ3階に移動して展示。コウちゃんを見守った当時の白山小児童や白山公民館主事の観察記録などの資料も並べている。
唐子は09年10月末に兵庫県豊岡市で放鳥され、同年末に三重県で餓死するまで神戸市や和歌山県などに飛来。子どもの背丈ほどの大きな標本は長いくちばしが印象的で、個体を識別する足輪もそのままのリアルな姿を見せている。
資料は改装後のPRコーナーに戻されるため、中心市街地の市民プラザたけふでの展示は期間限定。市農政課は「迫力満点のはく製や骨格標本をぜひこの機会に見てもらいたい」と呼び掛けている。
PRコーナーは改修によって展示スペースを拡大。資料を新しくするほか、デジタルサイネージを活用した映像の放映などを予定している。