展示室を訪れた外国人らに刀の歴史などを解説した新保基衡さん=佐渡市梅津

展示室を訪れた外国人らに刀の歴史などを解説した新保基衡さん=佐渡市梅津

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刀工・新保さん「ぜひ体感」 展示室を開設 佐渡市

新潟日報(2020年3月3日)

 新潟県佐渡市で唯一の刀工、新保基衡(もとひら)さん(78)が、自身が手掛けた刀の展示室を同市梅津にオープンした。刀を手にとって鑑賞したり、制作工程などの解説を直接聞いたりすることができる。今後、外国人観光客らの見学も受け入れる予定。「佐渡で生まれる刀の美しさを体感してもらいたい」と話している。

 新保さんは、日本刀の国内コンクールで数々の受賞歴を持つ刀工。職人歴58年の熟練の技が生み出す刃文の美しさに定評がある。近年は刀身に文字や絵柄などを彫り込んだ作品も数多く手掛けている。

 展覧会よりも身近に刀の魅力を伝えたいと、自宅の一室を改装して展示室を構えた。ショーケースには滑らかな曲線の刀とその原材料となる鉄鉱石や鋼が並ぶほか、新保さんの創作に影響を与えた資料の一部も閲覧できる。

 1月中旬には、佐渡観光交流機構が島内で在日外国人向けのモニターツアーを行い、9人が新保さんの展示室を訪れた。佐渡の文化を体験するツアーの候補地として検討しているという。

 一行は新保さんから製鉄の歴史や、約1300度の火の中で鉄を打つ制作工程について解説を受け、刀の重さや手触りを体感した。

 ポーランド出身の参加者(47)は「刀の作り方がとても複雑で驚いた。博物館などとは違い、職人の哲学を知ることができて感動した」と話した。

 新保さんは「日本人はもちろん外国人にも足を運んでもらい、職人の人となりや制作の背景を知ってもらいたい」と語った。

 新保基衡展示室(佐渡市梅津1395)では、常時2~3本の刀を展示している。入場料2千円(解説付き)。見学は3人まで。1カ月前までに事前予約が必要。問い合わせは新保さん、0259(27)4290。

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