新潟県の佐渡汽船両津港ターミナル内の両津南埠頭(ふとう)ビル(佐渡市両津湊)にある「maSanicoffee」が、店舗を広く改装してリニューアルオープンした。座席を増やしたほか、郷土料理「茶がゆ」やハンバーガーなど佐渡産食材をふんだんに使ったフードメニューも充実させた。観光の起点となる両津港で佐渡の魅力を食から発信する。
同店は佐渡の玄関口のイメージアップを図ろうと、2016年にオープンし、ドリンク類や軽食の持ち帰りを中心に営業してきた。
ターミナル内には早朝、夜間に開いている店が少なく、「船の待ち時間でくつろげる空間がほしい」という市民や観光客の要望があった。そこで、新たにテーブルとカウンターの計19席を設置してゆったりと滞在できるようにした。
リニューアルに合わせ、フードメニューにも工夫を凝らした。朝食には両津地区などでおなじみの家庭料理、茶がゆが食べられる。島内で生産した茶葉を用いた「佐渡番茶」や市の認証米を使ったこだわりの逸品だ。ランチの看板メニューは、佐渡金銀山の世界遺産登録を祈願して考案した「小判バーガー」。幅広い世代に味わってもらおうと、小判型のパティを佐渡産みその和風ソースで味付けた。
2月20日はオープニングレセプションが開かれ、関係者や地域住民らが訪れた。広くなった店内でひきたてのコーヒーや新メニューの試食を楽しみ、時間を忘れて団らんした。
ほぼ毎日利用しているという両津夷の男性(84)は「改装工事の間、オープンを待ちわびていた。きれいな内装になり、店で過ごす時間が増えるかも知れない」と笑顔で話した。
同店を経営する兵庫工務店(加茂歌代)の中村潤一社長は「地産地消をテーマに店の資材や食材はできるだけ島内のものを使った。観光客が佐渡の魅力を知るきっかけなれば幸いだ」と語った。
午前4時半~午後7時15分。不定休。問い合わせは同店、070(4222)6448。