蔵から見つかった文献=白山市美川今町

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北前船の文献見つかる 美川の旧船頭家

北國新聞(2020年3月30日)

 白山市美川今町にある北前船の船頭を務めた旧家・佐渡家で、江戸時代から明治初期に読まれた文献が29日までに見つかった。航海の手引きや経済の入門書などで、当時の船頭がビジネスの勉強に励んでいたことがうかがえる。市は新年度、日本遺産「北前船寄港地・船主集落」への美川地域の追加認定を目指しており、当主の佐渡靖昌さん(67)は機運の盛り上げにつながることを期待している。
 文献は昨年12月、佐渡さんが蔵の片付けをしている時に見つけた。古い木箱の中に、航海の手引書「増補日本汐路之記(しおじのき)」(寛政8年)や商売の教科書「錦耕商業往来全」(文久2年)、福沢諭吉著の経済入門書「民間経済録全」(明治13年)など5冊が入っていたという。
 佐渡さんによると、7代目の船頭・冨吉(1848~1929年)が所有していた文献とみられる。航路の手引書には、現在の美川を指す「本吉」の地名をはじめ、小松の「安宅」や、金沢の金石を示す「宮の越」などが紹介され、潮の満ち引きや風向きといった安全な航行に必要な情報が記されていた。
 美川では、県無形民俗文化財「おかえり祭り」や船乗りが歌った祝い唄「御(ごん)酒(しゅう)」、フグの卵巣のぬか漬けなど北前船によってもたらされた文化が受け継がれている。佐渡家は現在、こうした文化を継承する場として、地元の観光ボランティアガイド「美川おかえりの会」の案内コースに入っている。
 今回見つかった文献は傷みが激しいため、常設展示は難しいものの、歴史を伝える資料として佐渡家で活用していくという。佐渡さんは「史料を生かして美川を盛り上げたい」と話した。

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