越前漆器と越前焼の職人技が凝縮された「三酒の神器」

越前漆器と越前焼の職人技が凝縮された「三酒の神器」

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越前塗を越前焼に「三酒の神器」 職人技を凝縮

福井新聞(2020年7月17日)

 福井県鯖江観光協会は、越前塗を越前焼に施した3種類の酒器の販売を始めた。名付けて「三酒(さんしゅ)の神器(しんき)」。漆塗りは器の外面だけでなく折り返した内側にも施し、口当たりの良さを実現した。越前焼は薄くて軽く、丹南の伝統工芸の職人技を感じられる商品となっている。

 新型コロナウイルス感染症の影響で越前漆器や越前焼の受注が減少する中、産地の活性化を目指して同協会が企画した。陶器に漆塗りを施す「陶胎漆器」は、2015年に放送されたNHK朝の連続テレビ小説「まれ」でも注目された。

 酒器はぐい飲み、ビアカップ、焼酎カップの3種類。日本漆器協同組合連合会理事長を務める1級技能士の土田直さん(鯖江市)と、越前焼陶芸家で国の「現代の名工」の司辻光男さん(越前町)が作った。手に取ったときに漆塗りの温かみのある質感があり、木地ではなく焼き物を使用したため、ゆがみが起こりにくいのが大きな特長だ。

 土田さんは唇が器に触れる部分の感触の良さを実現するため、漆塗りを器の外面だけでなく、内側の飲み口にも数ミリ施した。司辻さんは強度の高い土を使い、「越前薄作り」の技術を用いて、軽くて薄い商品に仕上げた。ぐい飲みで56グラム、最も重い焼酎カップでも138グラムとなっている。

 土田さん、司辻さんは「越前漆器と越前焼のコラボが、今後さまざまな場面で発展していけば」と期待する。

 ぐい飲みは2200円、ビアカップ、焼酎カップは4400円(いずれも税込み)。鯖江市の道の駅「西山公園」、市うるしの里会館、市観光案内所、越前町の県陶芸館で販売している。ビアカップと焼酎カップの購入者には、先着50人に地ビール引換券が進呈される。

 問い合わせは鯖江観光協会=電話0778(52)2323。

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