火縄銃や合戦図屏風などが並ぶ特別展「日本一短い手紙と長篠の合戦」=福井県坂井市一筆啓上日本一短い手紙の館

火縄銃や合戦図屏風などが並ぶ特別展「日本一短い手紙と長篠の合戦」=福井県坂井市一筆啓上日本一短い手紙の館

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福井県坂井市「一筆啓上」由来 長篠の激戦を伝える特別展

福井新聞(2020年8月19日)

 福井県坂井市一筆啓上日本一短い手紙の館で、開館5周年を記念した特別展「日本一短い手紙と長篠の合戦」(福井新聞社後援)が開かれている。戦国最強とうたわれた武田騎馬隊を、織田・徳川勢の鉄砲隊が三河・設楽原で打ち破り、鉄砲活用が大きく広がる契機となった戦い。合戦場から出土した鉄砲玉や合戦屏風(びょうぶ)など約40点を展示し、両軍合わせて5万3千人の軍勢が正面からぶつかった激戦を伝えている。

 手紙の館のモチーフでもある徳川家康の功臣、本多作左衛門重次の「一筆啓上」で始まる手紙は、設楽原の陣中で書いたとされ、特別展のテーマとした。

 愛知県新城市設楽原歴史資料館、愛知県古銃研究会、丸岡城鉄砲隊の協力を得て開催。江戸時代の火縄銃、威力を確認するため火縄銃で撃ち抜かれた甲冑(かっちゅう)などの展示物からは戦場のいぶきを感じる。

 長篠合戦図屏風(複製)には、馬防柵に居並ぶ鉄砲隊に挑みかかろうとする武田騎馬隊が描かれている。設楽原布陣図では最右翼に本多作左衛門の名があり、赤い甲冑で統一した「赤備え」で恐れられた山県昌景と相対する位置に配されていたことが分かる。

 武田軍に包囲される長篠城を脱出して援軍を要請し、城に戻るときに捕らえられ、磔(はりつけ)にされた鳥居強(とりいすね)右衛(え)門(もん)磔図も見どころ。「援軍は来ないと伝えよ」との武田方の命令に従わず、「援軍は間もなく来る」と叫んだ決死の報告に城兵は奮い立ったという。強右衛門は殺されるが、城は援軍到着まで持ちこたえた。

 設楽原の戦場から出土したものでは、鉛でできた鉄砲玉や武田の家臣真田家のものと思われる携帯用の硯(すずり)(複製)などが並ぶ。

 本多作左衛門関連では、長篠の戦いの様子を詳細に記録した江戸時代の長篠日記に記載がある。明治時代に発行された高等小学校の国定教科書「国語読本」には、一筆啓上の手紙が掲載されており、40文字の短い手紙でも「用事は十分に足りた」と紹介している。

 特別展は11月10日まで。9月19日からは火縄銃の展示を10丁に増やす予定。

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