新潟県上越市の高田本町商店街で上越地域の酒やグルメを楽しむ「越後・謙信SAKEまつり2020」が、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、今年はオンラインで24、25の両日に開催される。当日は、乾杯式や参加酒蔵の紹介などの動画を配信する。公式のオンラインショップでは限定酒や参加酒蔵の酒を販売しており、実行委員会は「上越地域のお酒を手元に用意して、全国のSAKEまつりファンみんなで乾杯しよう」と呼び掛けている。
SAKEまつりは2006年に始まり、15回目。毎年10月に開かれ、近年は2日間で12万人を超える来場者が県内外から集まった。しかし、今年は新型ウイルスの流行を受け、実行委は大勢の人が飲食に興じるイベントの開催は困難と判断し、代わりにオンラインで開催することにした。
公式サイトでは24日午前11時~午後7時と25日午前10時~午後4時に動画を配信。オープニングの乾杯式などを生中継するほか、酒蔵や酒に合うレシピの紹介、日本酒講座などを予定している。
公式サイト内に開いたオンラインショップでは、限定酒「車懸(くるまがかり)」や上越地域3市と佐渡市の23蔵元の酒、公式のおちょこと参加酒蔵の酒をランダムに詰めた福袋を販売している。
高田本町商店街では協賛イベントとして、まつりに関連した商品の販売や割引サービスを25日まで実施。実行委は「例年通りの開催はできないが、上越地域の酒情報を発信していく。おいしい酒を取り寄せて楽しみましょう」と話している。
オンラインショップは26日まで注文を受け付ける(車懸は11日まで)。また、情報交換に役立てようと、まつりに関する動画や写真を、写真共有アプリ「インスタグラム」の同まつり公式アカウントで募集している。「#オンラインSAKEまつり」を付けて投稿する。問い合わせは実行委事務局、025(521)2627。
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「越後・謙信SAKEまつり」に合わせて製造された限定酒「車懸」のラベル貼り作業が5日、妙高市の鮎正宗酒造で行われた。
限定酒の製造は、県酒造組合高田支部に加盟する蔵元が持ち回りで担当している。今年は地元産の五百万石と同酒造近くに湧く伏流水で純米吟醸酒を仕込んだ。穏やかな香りが特徴で、程よく酸味が絡んだすっきりとした口当たりに仕上がったという。
ラベル貼りには7蔵元から関係者が参加した。新型コロナウイルスの収束を願い、疫病を払うとされる妖怪「アマビエ」のステッカーを丁寧に貼った。イラストは上越市のイラストレーター、アオキメグミさんが描いた。
鮎正宗酒造の飯吉由美取締役は「アマビエに疫病退散の思いを込めた。オンラインでも、限定酒で乾杯してほしい」と話した。
車懸は1600本限定。SAKEまつりの公式オンラインショップで11日まで受け付ける。14日からは上越、妙高両市の酒屋でも購入できる。720ミリリットルで2千円(税別)。