「WHILL」に試乗し、いもり池を散策する参加モニター=妙高市

「WHILL」に試乗し、いもり池を散策する参加モニター=妙高市

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電動車いすで楽しい旅を 妙高市 バリアフリー実証実験

新潟日報(2020年12月10日)

 最新の電動車いす「WHILL(ウィル)」を生かし、観光地のバリアフリー化を目指す実証実験が新潟県妙高市で進んでいる。妙高ツーリズムマネジメント(妙高観光局)二次交通部会が、足腰に不安を抱えるシニア層や障害者らを主なターゲットにウィルを試してもらい、目的地での快適な移動を手助けする。新型コロナウイルスの影響が観光産業を直撃する中、新しい需要の掘り起こしを図る。

 池を囲む遊歩道を徒歩程度の速さでウィルが進む。11月下旬、妙高市のいもり池で行われたウィルのモニターツアー。夫と参加した新潟市西区の自営業女性(57)は「快適ね」と何度も口にした。「普段はつえを使い、長距離を歩けない。これなら景色を眺め、会話を楽しむ余裕も持てる」とほほ笑んだ。

 ウィル株式会社(東京)が製造するウィルは2014年に初号機をリリース。手すりのレバーを傾けるだけで移動でき、複雑な操作はいらない。自動運転機能を搭載したモデルが今夏、羽田空港で実用化されるなど、近距離移動の手段として認知度を高めている。

 こうしたウィルの可能性に、二次交通部会の部会長を務めるアイエムタクシー(上越市)の牧野章一社長(72)が着目。利用客の高齢化が進む現状にあって、以前から運転手に「観光地に着いても『足手まといになるから』と同乗者に遠慮して車内で待つお年寄りが少なくない」と聞いていた。

 ウィルなど最新の車いすが「旅を諦めてしまう人にとって気兼ねなく観光地を楽しめるツールになり得ると思った」と明かす。

 部会では今夏、ウィルを生かした観光戦略を作成。アフターコロナを見据え、観光庁の実証実験を支援する事業に応募し、採択された。補助金でウィルを3台借り受け、11月下旬の8日間、いもり池に設置した。

 無料で試乗した40~70代約30人からは「介助者の力を借りず、気楽に移動できるのはいい」「友人や父母に勧めたい」などと好意的な声が占めた。レンタサイクルのように「行った先で貸し出してくれるとありがたい」といった声もあった。

 部会では、ウィル導入の効果をまとめ、観光施設への設置の提案などに役立てたいとする。妙高市のロッテアライリゾートでも、来年1月末まで平日を中心に実証実験を行う予定。

 実験をサポートするJTB総合研究所(東京)の倉谷裕・主任研究員は「妙高は一定の世代にはリゾート地としての知名度が高い。利便性を伝え、もう一度妙高を認識してもらう機会になるといい」と話した。

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