江戸時代に宿場町として栄え、当時の町並みが残る今庄宿=12月11日、福井県南越前町今庄

江戸時代に宿場町として栄え、当時の町並みが残る今庄宿=12月11日、福井県南越前町今庄

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今庄宿を重伝建に申請へ 南越前町、福井県内で3例目

福井新聞(2020年12月12日)

 江戸時代に宿場町として栄え、現在も当時の町並みが残る福井県南越前町の今庄宿について、同町が12月14日に文化庁の重要伝統的建造物群保存地区(重伝建)に申請することが11日、分かった。来年4月ごろに開かれる文化審議会などを経て、順調に進めば来年夏ごろに正式に選定される見通し。選定されれば県内では熊川宿(若狭町)、小浜西組(小浜市)に続き3例目、嶺北では初めてとなる。

 この日開かれた非公開の町会全員協議会で岩倉光弘町長が、県を通して14日に選定申出書を文化庁に提出すると明らかにした。

 対象となるのは、今庄宿の旧北国街道約1・2キロ区間に面する建造物などで、約9・2ヘクタールのエリア。趣ある建物が並ぶ通りで、江戸時代に建設されたものも8棟残っている。エリア内には昭和30年代以前に建てられた「伝統的建造物」の対象が約160棟あり、そのうち景観の維持・復元について所有者の同意が得られた118棟を同建造物として申請する。

 町は重伝建の選定を目指し、2017年4月に今庄宿の調査に着手した。19年12月には、地元住民らでつくる「今庄宿まちづくり推進協議会」の協力を得て住民向け説明会をスタート。これまでに9回開き、所有者らの理解を求めてきた。

 同町内では今年6月、トンネルなどの鉄道遺産が日本遺産に登録され、11月には海岸沿いの水仙畑や集落の景観が重要文化的景観に選定されることになった。町の担当者は「今庄宿が重伝建に選定されたら、これら町内の名所を周遊できるプランも考えたい」とし「今庄宿内の空き家を活用し、飲食店や移住者を呼び込むなど一帯の活性化にも力を入れたい」と話していた。

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