「いっさく」の冬季限定メニュー「牡丹鍋御膳」。鍋の中央にイノシシ肉が並ぶ=糸魚川市

「いっさく」の冬季限定メニュー「牡丹鍋御膳」。鍋の中央にイノシシ肉が並ぶ=糸魚川市

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野生のうま味が凝縮 地場産ジビエ 食べに来て 糸魚川

新潟日報(2021年2月22日)

 新潟県糸魚川市内の飲食店などでイノシシ肉などのジビエ食材を扱う店舗が増えている。今冬、イノシシ肉の鍋料理などを新メニューに加えた飲食店があるほか、ニホンジカの腸詰めや干し肉が並ぶ直売所もある。同市では農作物を荒らす有害鳥獣として捕獲数が増えている中、関係者は地場産ジビエをもっと手軽に味わってほしいと期待している。

 糸魚川市によると、イノシシの駆除数は2018年度が463頭、19年度は749頭と増加傾向。自家消費か山中に埋められるケースが多いとされる。

 そうした中、ジビエ食材を出荷しているのは、同市大洞(おおほら)の食肉処理業「惣右エ門」(青田葉子代表)。青田代表の夫で狩猟免許を持つ徹さん(60)が16年、自宅の倉庫を改修し、獣肉解体施設を開設。徹さんや猟友会仲間が捕獲したイノシシとニホンジカのうち、上質な肉だけを食品用に加工し取引先に販売している。

 糸魚川市や上越市などで飲食店「いっさく」を展開するグローバルフーズ(糸魚川市)は、昨年末、全5店舗でイノシシ肉の鍋料理などの提供を始めた。2月末までの期間限定メニューとして、牡丹(ぼたん)鍋御膳(1人前税込み1969円)や、ソーセージ風の焼き物(同539円)など4品を用意した。

 同社販売促進室の古屋美咲さん(28)は「見た目は豚肉と変わらず、かむとうま味がにじみ出てくる」と太鼓判を押す。

 一方、JAひすい(同市)の農産物直売所「ひすい食彩館」では、数年前からイノシシ肉とシカ肉の真空パック商品を取り扱っている。それぞれ腸詰めと干し肉の2種類があり、計4商品のいずれも500~700円で店頭に並ぶ。

 本間守店長(41)は「獣肉は臭みがあると思われがちだが、スパイシーな味付けで臭みはない。リピート客もいる」とアピールする。

 糸魚川産ジビエの普及に努めている青田徹さんは「家族連れが訪れる店舗で扱ってもらえるようになり、ありがたい。多くの人たちにジビエを味わってもらいたい」と話している。

 問い合わせは、いっさく本部、025(562)2147。ひすい食彩館、025(553)0050。

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