明治から昭和初期に活躍した日本画家・高屋肖哲(しょうてつ)(1866~1945年)の作品を紹介するチャリティー美術展が南魚沼市浦佐の池田記念美術館で開かれている。繊細な曲線で描かれた観音菩薩(ぼさつ)の絵などを展示。会場には母子家庭を支援する募金箱も設置され、関係者は来訪を呼び掛けている。
肖哲は狩野芳崖の弟子の一人で、仏画師として観音菩薩を題材にした絵を多く描いた。市内の医師で、美術展実行委員長を務める黒岩卓夫(84)さんや、金沢美術工芸大学が所蔵する約30点を展示した。
ひときわ目を引く「観音菩薩図(千児観音)」は、後光が差す穏やかな表情の菩薩を囲むように、祈りをささげる子どもが描かれている。黒岩さん所蔵の「十種観音図」は、国内初公開。細く滑らかな線で菩薩を描いた10枚が並び、それぞれ表情やポーズが微妙に異なっている。
黒岩さんは「透き通るような曲線と慈悲が感じられる絵に心を打たれる。ぜひ味わってほしい」と語る。
7月5日まで。入館料500円。水曜休館。
募金箱と並行し、クラウドファンディング(CF)も行っている。寄付金は、地域で余った食料品などを貯蔵する冷蔵庫を設置し、母子家庭などへ届ける事業に役立てられる。
CFの問い合わせは、m.kamimura@moegien.jp