新潟県の上越市立水族博物館「うみがたり」で、ことしもマゼランペンギンのひなが続々誕生している。鳥インフルエンザの影響による展示休止が繁殖期と重なったこともあり、例年よりも数は少なめだが、順調に育つ愛らしい姿を見せている。
うみがたりには100羽以上のマゼランペンギンがいて、飼育数は国内一だ。
ことしは展示休止による飼育場所の移動などがあり、産卵数は昨年より22個少ない61個にとどまる。5月20日に最初のふ化が確認され、今月18日現在では5羽がすくすくと育っている。
8日に生まれたばかりのひなは、同館としては初めて、卵の段階から人工育雛(すう)している。黒い綿羽に覆われた体は重さ約100グラムまで育ち、餌をねだって羽をバタバタさせるしぐさを見せた。
ほかのひなは展示エリアの巣穴で、親ペンギンに守られて育つ。ひなたちの鳴き声が聞こえる時間帯もあるという。
開館3周年を記念し、ひなの記録映像や体の仕組みの解説パネルなどを公開する「マゼランペンギン展」を9月5日まで実施。ペンギンが餌を求めて歩き回ったり、水中に飛び込んだりする様子を観察できるイベントも毎日行う。
うみがたり飼育担当の勝平祐花さん(25)は「1カ月もすればひなが巣から出てくる。貴重な成長の様子を見届けてもらいたい」と話した。