えちごトキめき鉄道(新潟県上越市)で、「国鉄形観光急行」がデビューした。多くの鉄道ファンや家族連れらが乗車。沿線や停車駅ではカメラを手にした人々も多く見られ、にぎわいのスタートとなった。
同社では国鉄時代に製造された急行形電車の455系や413系をJR西日本から購入。「昭和の急行列車」をコンセプトに、気軽に楽しめる観光列車として準備を進めてきた。
かつて新潟と大阪を結んだ急行「越後」のヘッドマークを掲げた3両編成は、4日午前11時26分に直江津駅を発車。糸魚川市の市振駅間を往復した後、糸魚川駅との間をさらに1往復した。
海岸線など沿線の見どころでは、車内放送で解説しながら速度を落として運行。車内の電気がいったん消える、交流と直流の切り替え区間や、トンネル内にホームがある筒石駅など特徴のある区間では乗客が熱心に撮影していた。
両親と乗車した柏崎市の男子児童(6)は「今も残る最後の1両(455系)に乗りたくて来た。走っている音が楽しかった」と満足していた。
乗客の笑顔に手応えを感じたというトキ鉄の鳥塚亮社長(61)は「地元の人と触れ合い、地域のものを買えるような仕掛けも考えている。(観光列車を)もっと育てていただきたい」と展望を語った。
観光急行列車は土日祝日の運行で、乗車券の他に500円の急行券が必要。