国内外のアーティストが作品展示やパフォーマンスを行う「さどの島銀河芸術祭」が、新潟県佐渡市で開幕した。18の個人と団体による力作が島内各地で10月3日まで鑑賞できる。今年は景勝地・大野亀で映像、音楽と共に伝統芸能や食のライブパフォーマンスが楽しめるキャンプフェスを初開催する。同祭の実行委員会は「大自然を満喫しながら、佐渡の奥深い文化と現代アートの融合を味わってほしい」としている。
銀河芸術祭は、佐渡をアートの実験の場にしようと、市民有志が2016年に始めた。6回目の今回は、会期中に計20点の作品展示と四つのイベントが行われる。
9月18、19両日に開かれる目玉のキャンプフェスは、アウトドア用品のスノーピーク(三条市)・山井梨沙社長らが制作指導した。参加者は大野亀でキャンプを楽しみながら、伝統芸能や音楽鑑賞など多彩な催しを楽しめる。
初日は、鬼太鼓5流派による演舞と、佐渡産食品で作る食のパフォーマンスなどが披露される。2日目は、現代音楽「ミニマルミュージック」の巨匠で米国人作曲家のテリー・ライリーさん(86)と太鼓芸能集団「鼓童」のコラボ演奏などが予定されている。
展示では、早稲田大の研究室らが佐渡金山で使われていた揚水機を基に、大間港に金網のオブジェを設置した。岩首には、写真家・ホンマタカシさんが佐渡に配流された世阿弥をイメージして写した、雄大な海の写真などが並ぶ。
芸術祭プロデューサーの吉田モリトさん(49)は「普段の生活では忘れてしまっている佐渡の魅力を、アーティストが作品を通じて掘り起こしている。ウイルス禍でさまざまなイベントが中止になっているが、感染対策に十分注意した上で島内外の人に楽しんでもらいたい」と語った。
作品の鑑賞時間は午前10時~午後5時(一部会場によって異なる)。入場パスポートはデジタルと紙の2種類で、いずれも一般3千円、高校・専門・大学生2千円、中学生以下無料。問い合わせは芸術祭総合案内、050(5305)5135。