能や狂言で使われる面と郷土玩具を紹介する展覧会が、新潟県上越市頸城区花ケ崎の交流施設「さくら会館」で開かれている。伝統芸能の奥深さを感じさせる面の数々に、来場者が見入っている。
展覧会は新潟県と長野県で医療・福祉用具の販売や介護事業所を運営する「さくらメディカル」(本社新潟市)が主催。昨秋、創業30周年を記念して会館をオープンし、地元作家の企画展などを随時開いている。
今回の展覧会は、上越市本町7の「きものの小川」が所蔵する能面と狂言面の計約30点を展示した。来場者は面の由来や使われる演目の解説と併せて鑑賞し、600年以上の歴史を誇る幽玄の世界に浸った。
友人と訪れた上越市の主婦(73)は、「翁(おきな)の面を見ていると年を重ねた深みのある表情をしている。人間の人生経験と同じですね」と感心していた。
会場ではこのほか、さくらメディカルが所蔵する縁起物をかたどった陶器や張り子の玩具も並んでいる。
9月30日まで。入館料300円。感染防止のため来場には予約が必要。日曜、月曜と祝日は休館。予約や問い合わせはさくら会館、025(530)3838。