江戸期に丸岡城主を務めた有馬家の菩提寺(ぼだいじ)である高岳寺(福井県坂井市丸岡町篠岡)が、歴代城主の名前などが記された位牌(いはい)を新調した。福井地震から約70年越しで、菩提寺としての威厳と格式を取り戻した。
有馬家は第17代の清純から8代にわたり丸岡城主を務めた。寺によると、かつて歴代城主の位牌があったが、1948年の福井地震で大きな被害を受けた際に散逸した。歴代城主の墓が並ぶ墓所や本堂は復元されたが、位牌までは至っていなかった。
新調された位牌は高さ1・2メートルと大きく、雲彫りや鯖江市河和田地区の漆塗り蒔絵(まきえ)が施されている。延岡城(宮崎県)城主の第15代直純とその正妻で徳川家康のひ孫の国姫から、第23代温純までが記されている。
寺の代表である住持は「お墓と位牌がそろい、菩提寺としての体裁が整った。多くの人にお参りに来てもらえれば」と話している。
拝観料は500円、事前予約が必要。問い合わせは高岳寺=電話0776(66)7083。