昭和初期から平成までのひな人形約400体を集めた「古き良きひな人形展」が2月5日、福井県越前町の越前古窯博物館旧水野家住宅で始まった。衣装や調度品など年代によって異なる趣が楽しめる。隣接する県陶芸館では、県内の陶芸作家ら11人が手作りした「陶びな」約100点を展示販売している。ともに3月6日まで。
「古き良き展」で目を引くのが、江戸時代~昭和中期に京阪神で流行した豪華な「御殿飾り」。京都御所になぞらえた御殿に並ぶお内裏(だいり)さまとお雛(ひな)さまは品があり、格式高く感じられる。
調度品に焼き物の皿などが添えられたものや、孫のために祖母が手作りしたという愛らしい七段飾りもある。展示品は全て自宅で保管するのが難しくなった人たちから寄贈された。
旧水野家住宅は、江戸時代の古民家を移築復元した風情ある建物。ひなまつりの生菓子や抹茶を提供する特別呈茶(600円)も行われており、ゆったりと華やかな雰囲気に浸ることができる。入場は無料。
陶びな展には、越前焼らしい素朴なものや細かく彩色されたもの、動物をモチーフにした変わり雛(びな)など個性豊かな作品が並ぶ。全て一点物で、ほとんどが玄関やリビングに飾りやすい卓上サイズとなっている。
越前古窯博物館、県陶芸館とも月曜と祝日の翌日は休館。