黒部市民が作る黒部らしい土産品を生み出そうと、市内の有志が黒部ダムを模したスイーツ「ダームクーヘン」を完成させた。黒部峡谷鉄道の終点・欅平(けやきだいら)とダムを結ぶ関西電力黒部ルートの一般開放を見据え"食べられる黒部ダム"としてPRする。市内のショッピングセンター・メルシーで12日、この日限定で先行販売し、買い物客らの注目を集めた。
黒部市内の中華料理店「藍菜坊」のオーナーシェフ本瀬藍一朗さん(38)が中心になって企画した。黒部の名物を作ろうと「くろべ水餃子(ギョーザ)」のPRを続ける中、2024年度に黒部ルートが一般開放される予定であることから、新しい土産品を発信しようと発案。仲間2人と1年余り試作を重ねてきた。
ダームクーヘンは、和洋菓子製造販売の昌栄堂(同市)に製造を依頼。ビスキュイ生地を4枚重ね、ベルギー産ホワイトチョコや北海道の日高バター、5年以上漬け込んだラムレーズンで作ったクリームを生地の間に挟んだ。設計ソフトを使って黒部ダムのアーチとウイングの形状を精巧に作り、横幅31センチほど、高さ7センチほどに仕上げた。
12日はメルシーに設けたブースで限定50個(1個3240円)を並べ、上々の売れ行きとなった。19~21日は富山大和で計100個販売する。本格製造の準備が整い次第、インターネットで発売する。
本瀬さんは「黒部の人の誇りになるとともに、黒部ダムのように有名な土産品になってほしい」と話した。