商品化に向けて雪室に搬送された茶葉=5月19日、福井県勝山市平泉寺町岡横江

商品化に向けて雪室に搬送された茶葉=5月19日、福井県勝山市平泉寺町岡横江

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雪室で熟成した茶をブランド化 三国屋や福井大学など連携、今秋発売へ

福井新聞(2022年5月20日)

 茶製造販売の三国屋(福井県坂井市)と福井大学、勝山市雪室ブランド推進会議は、同市内の雪を生かした貯蔵庫「雪室」で保存、熟成させた茶のブランド化に取り組んでいる。今年秋に商品として発売する計画で、5月19日に貯蔵を開始。同会議の関係者は「そば粉、コメに続くブランド商品となる。今後も雪室で付加価値を高めた商品の研究を進めたい」としている。

 同会議は市や業界団体で構成。2014年度から同市平泉寺町岡横江の倉庫を活用して雪室を造成し、雪室貯蔵の付加価値を押し出した商品開発を進めている。茶については、19年度から3者連携でのプロジェクトをスタート。数種の茶を保存、熟成し、最も雪室での貯蔵に適した茶を模索した。

 今回は同社主力製品の煎茶「式部の香り」を100キロ分、雪室で貯蔵。通常の製品とは別に「雪室貯蔵」を表記して9月に販売することにした。貯蔵作業に立ち会った同社の社長は「試験的に雪室で熟成させた茶は、かどがとれてまろやかだった。今回も一定のうまみが出てくると思う。付加価値を高めた茶を楽しんでもらえたら」と話す。

 雪室の環境などについて解析を担った福井大工学部講師の寺崎寛章さんは「雪室は食材に与える影響が少なく保存に適している」と説明。今後に向けては「ほかの研究者にも参画してもらうことで、よりよいものが生み出せると思う」と話した。 

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