作品を解説する坂田さん(右)

作品を解説する坂田さん(右)

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裏剱描いた大作寄贈 日本画家の坂田さん(立山)、西田美術館の企画展で紹介

北日本新聞(2022年12月17日)

 日本画家の坂田潤世さん(63)=立山町上福来=が、西田美術館(上市町郷柿沢)に裏剱を描いた「剱を想う」を寄贈した。坂田さんが魅了された風景を描いた作品で、刻々と移ろう雲の表情が美しい。同美術館で開会中の企画展「日本三霊山展」で展示されている。

 坂田さんは、日展や日春展を中心に活動し、県日本画家連盟委員長などを歴任した。県内各地をスケッチし、剱岳や薬師岳を題材にした作品も多い。

 寄贈した「剱を想う」は教員を退職した2019年に剱岳周辺を訪れた際、目にした岩山の雄姿と眺望を描いた150号の大作。当時、「北アルプスの魅力的な山々を訪れたい」と願っていた坂田さんが、1週間にわたるこの北アルプス取材の中で、最も印象に残った光景だ。「ここにしよう」。そう強く思った場所だったという。

 西田美術館で05年に開かれた展示に出品したことがある。今回、日本三霊山展に剱岳をテーマにした「月出づ」を出品し、再び同美術館と関わりを持つことになった。同美術館は晴れた日には剱岳がよく見える場所に立つ「剱に抱かれた美術館」であることから、自身の思いがこもった「剱を想う」を託したいと申し出たところ、同美術館が快諾した。坂田さんは「本当にありがたい」と感謝する。日本三霊山展では、剱岳をテーマにした作品は数多いが、裏剱を描いた唯一の絵画となっている。

 このほど同美術館に搬入され、真っ先に目に入る企画展室の入り口近くに展示された。坂田さんは「来場者の皆さんには、作品を見てそれぞれ思いを感じてもらいたい」と話している。日本三霊山展は来年1月29日まで。

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