ベニズワイガニを1匹丸ごと食べよう-。魚津市は2、3月の6日間、ゆでたてのカニを味わえる特設食堂を、海の駅蜃気楼(同市村木定坊割)にオープンする。カニ籠なわ漁の発祥地として知られる魚津は県内トップの漁獲量を誇る一方、姿のカニを口にできる店が少なく、提供場所を望む声が上がっていた。食堂は実証事業と位置付け、市民や観光客のニーズを探って今後の観光PRや市内流通の足がかりにする。
国内外のベニズワイガニ漁で主流となったカニ籠なわ漁は、昭和30年前後に魚津の漁師が考案した。県内各地の水揚げ量では魚津がトップを誇っており、全体の約50%を占める。
一方で、魚津のカニは加工品として市内外に流通することも多く、港や市場の近くでゆでガニを姿のまま提供する店は少ない。「気軽に食べられる場所はないのか」という声も観光客らから寄せられていた。
要望に応えようと、市は「蟹騒動(かにそうどう)」と銘打った催しの企画として、特設食堂を開設。鍋でゆで上げたカニを1匹丸ごと味わってもらう。
来場者アンケートも実施し、地場産ガニに対する需要を調査する。市商工観光課は「魚津が誇るカニを楽しんでもらい、観光施策や市内流通につなげていきたい」としている。
開催日は2月18、19、23、25日と3月4、5日。業務委託先の市観光協会が各日200人分(予定)を用意し、1匹千円で販売する。1人1匹限定で、持ち帰り不可。