かたかご会と日本酒のラベルについて話し合う岩瀬社長(右)と長谷川氏(右から2番目)=ホテル黒部

かたかご会と日本酒のラベルについて話し合う岩瀬社長(右)と長谷川氏(右から2番目)=ホテル黒部

富山県 黒部・宇奈月・新川

日本酒製造でタッグ 黒部の銀盤と皇国晴

北日本新聞(2023年2月9日)

 黒部市の銀盤酒造(荻生、山岸逸人社長)と皇国晴酒造(生地、岩瀬新吾社長)は初めて日本酒製造で協業する。4月から宇奈月地区の水で仕込んだ酒をそれぞれ販売。ラベルのデザインも工夫し、統一感を打ち出す。人口減少や若者のアルコール離れなどで国内需要が低迷する中、消費拡大に向けライバル同士がタッグを組んだ格好だ。

 今回の協業は、黒部市の宇奈月温泉開湯100周年を機に実現した。県内の日本酒販売量は、新型コロナウイルス流行に伴う飲食店の営業自粛の影響で急減。本格回復が見通せない中、長年、黒部で酒造りを行ってきた銀盤酒造と皇国晴酒造は今年の「宇奈月温泉開湯100周年」に着目した。普段はライバルとしてしのぎを削るが、日本酒人気の復活と地元の盛り上げのため手を組むことを決めた。

 酒造りには黒部川上流の黒薙温泉から引いた水を使った。銀盤は県産米「てんたかく」で醸造した純米大吟醸(720ミリリットル)を約1500本、皇国晴は県産米「雄山錦」を使用した純米吟醸(720ミリリットル)を500~700本販売する。県内外の酒屋や飲食店、道の駅で扱われる。

 協業の一環として、統一感のあるラベルのデザインにする予定。両社の製品に貼ったラベルを合わせると一つの絵柄になる仕掛けも考えているという。宇奈月温泉関係者のアイデアも取り入れることにしており、8日は宇奈月温泉旅館協同組合と旅館のおかみでつくる「かたかご会」と女性にアピールできるデザインや商品名について意見交換した。銀盤営業部の長谷川恵美氏は「味だけなく、見ても楽しい特別な付加価値のある酒を目指す」と語った。

 両社は今後、日本酒に関するイベントなどを共催し、ファンを増やしたい考えだ。皇国晴の岩瀬社長は「日本酒は従来、国酒として多くの人に親しまれてきたが、今や多彩なお酒の一つ。両社の力を合わせて消費拡大につなげたい」と話している。

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