富山県 鉄道

富山らしさ満載し出発 あいの風、23年度から「一万三千尺物語」リニューアル

北日本新聞(2023年2月21日)

 4月に運行開始から5年目を迎える、あいの風とやま鉄道の観光列車「一万三千尺物語」が2023年度からサービスをリニューアルする。富山の山と海の幸をふんだんに使った新たな食事コースが登場し、ドリンクメニューに地元産ワインが加わるなど、より「富山らしさ」を打ち出す。

 24年春に北陸新幹線の敦賀延伸を控え、同年秋には北陸3県で「北陸デスティネーションキャンペーン」が開催される。今後さらに観光客が増えると見込み、リニューアルを決めた。

 一万三千尺物語は、富山のすしを楽しみながら富山-泊駅を往復するコース(1号)と、富山駅から高岡駅などを巡りながら懐石料理を味わうコース(2号)がある。今回、2号の食事メニューを刷新し、新たな料理事業者に日本料理「五万石」(富山市桜町)を選定した。

 和風創作料理のコースを木製の重箱2段で提供する。一の重は地野菜を使ったカニグラタンや立山ポークの八幡巻き、ホタルイカの沖漬けなど。二の重はますずしや昆布締めのお造りなどを盛り込む。デザートは1号、2号ともに同市古沢の和菓子製造販売「引網香月堂」が一万三千尺物語オリジナルデザインで作った上生菓子を味わえる。

 車内販売するドリンクメニューには、同市婦中町鶚谷(みさごだに)の「やまふじぶどう園」のワインを取りそろえた。食材費の高騰などから乗車料金は値上げし、大人1万6500円、小人8千円となる。4、5月は1号のみの運行で、6月から2号の運行も始める。担当者は「リニューアルを機に県や沿線市町と一体となって富山の魅力を県内外にPRしていきたい」と話した。

 あいの風とやま鉄道によると、運行を始めた2019年度の乗車人数は4674人。翌年度から新型コロナウイルス感染拡大で一時運休や定員を抑えた影響で20年度は3047人、21年度は2444人と落ち込んだ。本年度は回復しつつあり、1月22日までに4251人が乗車した。

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